英語を勉強しているとよく耳にする表現 ‘had better’ 。学校の授業でも習う基本表現ですが、正しいニュアンスや使い分けをしっかり理解できていますか?
今回は、 ‘had better’ の意味や使い方、注意点について詳しく解説していきます。
‘had better’ は、「~したほうがよい」「~すべきだ」という意味を持つ表現です。話し手の強い助言や勧告、警告のニュアンスを含みます。
例えば、
(あなたは医者に診てもらったほうがいい。)
We had better leave now.
(私たちはもう出発したほうがいいよ。)
というようなシチュエーションで使われます。
使い方は「〜すべきだ」という意味の ‘should’ と似ていますが、 ‘had better’ は「そうしないと悪い結果が起こるかもしれない」という警告の意味合いが強い表現です。
‘had better’ は次のような形で使用します:
主語 + had better + 動詞の原形(動詞の原形)
この構造で使われている’had’は過去形ではなく助動詞的に使われているため、現在や未来の内容を表すことができます。また、この場合の否定形は「had better not + 動詞の原形」というように ‘better’ の後に ‘not’ が置かれて、「~しないほうがよい」という意味になります。
構造を意識して、肯定と否定の例文をそれぞれ確認してみましょう。
(もっと勉強したほうがいい。)
否定:He had better not stay up too late.
(彼はあまり夜更かししないほうがいい。)
では、 ‘had better’ は、ほかの助言を示す表現とどこが違うのでしょうか?
表現 | ニュアンス | 例文 |
had better | 強い助言や警告 | You had better stay home.(あなたは家にいた方がいい。) |
should | 一般的な助言や提案 | You should exercise more.(あなたはもっと運動すべきだよ。) |
ought to | 少しフォーマルな助言や提案 | You ought to apologize.(あなたは謝るべきです。) |
比較表を確認してみてください。
‘had better’ は、「そうしないと良くない結果がある」ことを暗に伝えていますが、‘should’ や ‘ought to’は、一般的なアドバイスや道徳的に「すべきこと」を指す場合が多いです。
例えば、同じ「ジャケットを着たほうがいい」というアドバイスでも、以下の2文は違ったニュアンスになります。
You should wear a jacket.(ジャケットを着たほうがいいよ=一般的な助言)
You had better wear a jacket.(ジャケットを着ないと寒いよ=警告を含んだ助言)
このように、訳したときの意味は同じでも、言葉の強さや含む意味に違いが生まれます。
最後に、’had better’ を使うときに間違えやすいポイントを紹介します。
- 過去の出来事には使えない
‘had better’ は現在や未来についての助言に使う表現のため、過去の出来事には使用できません。
例えば、「昨日もっと勉強すべきだった」と言いたいときの表現として、
I had better studied harder yesterday. は誤りです。
この場合は、 過去の出来事に対する後悔や批判をあらわす「should have + 過去分詞」を使って、
I should have studied harder yesterday. とするのが適切です。
- 口語での使用に注意
‘had better’ はカジュアルな会話でよく使われる表現なので、フォーマルな場には不適切なことがあります。場合によって ‘should’ や ‘ought to’ を使うようにしましょう。
- ‘not’ の位置
冒頭でも解説しましたが、否定形で用いるときは、必ず ‘not’ を ‘had better’ の後に置きます。
よくある間違いとして、You better not go there. のように ‘had’ を省略してしまったり、
You had not better go there. のように間に ‘not’ を挟んでしまうことがありますが、どちらも誤りです。
You had better not go there. というように適切な文の形を保てるように注意しましょう。
いかがでしたか?
‘had better’ は、「~したほうがいい」という強い助言や警告を表現できる便利な文法ですが、使う場面やニュアンスに注意する必要があります。
今日学んだポイントを振り返ってみましょう。
2. ‘should’ ‘ought to’ との違いを理解し、適切な場面で用いる。
3. 否定形は「had better not + 動詞の原形」であらわす。
4. 過去の出来事には使わず、現在や未来についての助言にのみ用いる。
この表現を活用して、より細かいニュアンスの英語を使いこなせるようになりましょう!