先日別の記事で紹介した①「比較級」、②「最上級」、③「原級」の「3種類の比較表現」から、今回は「原級」の解説をしていきます。
①比較級、②最上級の詳しい解説については以下のブログを参考にしてみてくださいね。
比較級のなかで「原級」は、「同格」をあらわします。
同格と聞いてもイメージしにくいかもしれませんが、日本語で「〜と同じくらい」という訳し方をする表現のことです。
この比較の原級で使われる文の形は、
例えば、
My sister is tall. 「私の姉は背が高い」
という文を、母と比べてどうかを示すために原級を用いた表現にするには、
形容詞 “tall”を “as” で挟んで、
となります。
また、この原級を否定の表現として用いる場合は、日本語訳が「〜ほど〜でない」になります。
文の形は肯定の時と同じように形容詞を as で挟んで、
とあらわすことができます。
副詞を間に挟む表現の時も同様に、
My mother speaks slowly. 「私の母はゆっくり喋る」が
という形に変化します。
基本的にはas+形容詞(副詞)+as~の形であらわされる原級ですが、表現によって形が少し変化する場合や、違った意味合いが足される場合もあります。
今回は、その中でもよく登場する2つのイレギュラーな原級を紹介します。
1つ目は、形容詞と名詞がくっついている(セットになっている)パターンです。
例えば、
I have many cats. 「私はたくさんの猫を飼っている」
という文のとき。
これまでの考え方だと、「形容詞の “many” を as で挟めばいいんだ!」と思ってしまいますよね。
でも、この形容詞 “many” は、名詞である “cats” を修飾しているので、切り離すことができないんです。
そのためこの場合は、形容詞+名詞をセットで “as” に挟んで、
となります。
つまり、「形容詞+名詞」の場合は、両方セットで “as” に挟む と覚えておきましょう。
2つ目は、原級を使って倍数や分数を表現するパターンです。
「この家は私の家の2倍くらい大きい」や、「僕の給料は君の3分の2くらいしかない」というように、比較するときに倍数や分数を用いる表現がありますよね。
このような場合も、「〜と同じくらい」をあらわすas+形容詞(副詞)+as~を活用します。
差を比べているのに「同じくらい」のas を使うことに驚くかもしれませんが、
日本語のイメージだと、「この家は私の家の2倍(と同じ)くらい大きい」や「僕の給料は君の3分の2(と同じ)くらいしかない」という感じです。
方法はとてもシンプルで、
“as 形容詞(副詞) as” の前に、倍数をあらわす “twice”(2倍) 、 “three times”(3倍)、分数をあらわす “half”(2分の1)、one-third(3分の1)などを追加するだけ。
実際の文で見てみると、
倍数は、原級の表現
“This building is as tall as TOKYO SKYTREE. に、“twice”(2倍) を追加して
となりますね。
分数も同様に、原級の表現
“This bridge is as long as that one.”に、one-third(3分の1)を追加して
と表現します。
いかがでしたか?
as+形容詞(副詞)+as~の形であらわす比較の言及は、シンプルな使い方はもちろん、覚えておくと表現の幅が大きく広がります。原級をマスターして、比較の3パターンを自在に操れるようになりましょう!