みなさんは「each」と「every」の違いをハッキリ説明できますか?
例えば、
Each student has a notebook.
Every student has a notebook.
この2つの文は、どちらも「生徒がみんなノートを持っている」という意味になりますが、どういうときにどちらの表現を使うのが適切なのでしょうか。
英語を勉強していると「どちらも使えるよね?」という表現にたくさん出会います。そういうときはそれぞれの細かなニュアンスをしっかりつかみ、文脈に合わせて使い分けましょう。
今回はそんな「使い分けに困ってしまう表現」の代表格、「each」と「every」の違いを詳しく解説していきます!
「each」は、2つ以上のものや人を個別に見て、「それぞれ」という意味で使われます。
日本語では主に「それぞれの」や「おのおのの」と訳され、形容詞、代名詞、副詞などさまざまな形で用いることができます。
・Each student has a different opinion. (それぞれの生徒が異なる意見を持っています。)
・Each has its own color. (それぞれが独自の色を持っています。)
・I gave the children five cookies each. (私は子どもたちに、それぞれ5枚のクッキーを渡しました。)
このように、「each」は一人ひとり・一つひとつに注目する表現です。特に、人数や物の数が少ない場合に使われます。
また「each」は、“each of + 複数名詞”の形で、「〜のそれぞれ」や「〜の一つ一つ」という意味を表すこともできます。
この表現は、複数の人や物のグループの中から、それぞれ一つずつに注目するときに使います。
( 生徒たちのそれぞれが鉛筆を持っています。)
・Each of my friends lives in a different city.
(私の友人たちのそれぞれが違う都市に住んでいます。)
「every」は「すべての〜」「どの〜もみな」といった意味で使われ、全体を一つのまとまりとして見る場合に使われます。
「every」は形容詞としてのみ使われ、 “every+名詞” の形をとります。「each」と違い、文中で単独で用いられることはありません。
(クラスのすべての生徒がテストに合格しました。)
「every」は、原則として三つ以上のものに対して使われることが多く、個々の存在の集合(まとまり)を意識して使われます。
また、「every」は文脈によって「all」との置き換えが可能な場合もあります。
Every child needs love. (すべての子どもは愛を必要としている。)は、
All children need love. (すべての子どもは愛を必要としている。)に置き換えられます。
その際、後にくる名詞の形の変化に注意しましょう。
「each」と「every」は、どちらも、文法上は単数扱いになります。そのため、後に続く動詞も三人称単数形を取ります。
(それぞれの生徒が自分の課題に責任を持っています。)
・Every student needs to bring a pencil.
(すべての生徒が鉛筆を持ってくる必要があります。)
“each of + 複数名詞”の場合も同様に単数扱いのため、複数名詞の後に続く動詞が三人称単数形を取るので、注意しましょう!
(その本のそれぞれが違う作者によって書かれました。)
「each」と「every」は、ニュアンスの違いによって使い分けます。
- I visit my grandparents each year.
→ 1年1年を独立したものととらえて、それを繰り返している - I visit my grandparents every year.
→ 何年かをまとめてひとくくりにして、定期的な習慣として話す
上記の「each year」と「every year」は、どちらも「毎年」と訳され、日本語の文意に大きな違いは出ませんが、「each」はより個々に焦点を当て、「every」は習慣や全体性を表す傾向があります。
また、「each」は2つ以上の名詞とともに使いますが、「every」は通常3つ以上の対象に使われます。そのため、2つのものを話すときには「each」を使うのが自然です。
- There is a tree on each side of the road. (道の両側に木があります。)
「両側」の対象は2つなので、「every side of the road」とは表現できません。
「each」と「every」は似ているようで、使い方や視点に違いがあります。英文を書くときや話すときは、「一つ一つを見ているのか、それとも全体を見ているのか」を考えながら使い分けると、自然で伝わりやすい英語になります。
2つの特徴を理解して、表現の幅を広げていきましょう!