誰との会話でも、「いつの出来事か」という情報はとても大切ですよね。でも、過去の出来事を英語で話そうとすると、過去形だけではうまく伝えられず、時系列がわかりにくくなってしまうことがあります。そんなときに役立つのが 過去完了形 です。
今回は、過去完了形の基本と、主な3つの使い方を例文付きで解説していきます!
過去完了形は、「過去のある時点よりもさらに前の出来事」を表すために使われる時制です。形は 「had + 過去分詞」 となります。
例えば
(お母さんが帰宅する前に、私は宿題を終えていた。)
この文では、had に、finishの過去分詞であるfinishedをつけて、「お母さんが帰宅した」という過去の時点よりも宿題を終えたのが前であることを表していますね。
過去完了形は、単なる過去形(過去の出来事)とは異なり、過去の中でも「より前の出来事」を明確にするために使われます。
次の表を確認してみてください。
文 | 和訳 | 解説 |
I finished my homework before my mom came home. | 私は母が帰宅する前に宿題を終えた。 | 「宿題を終えた」という過去の出来事をあらわす。 |
I had finished my homework before my mom came home. | 私は母が帰宅する前に宿題を終えていた。 | 「宿題を終えた」が「お母さんが帰宅する前」に起こったことを強調する。 |
上の2つの文はどちらも同じ場面をあらわしています。しかし、下の文では過去完了形を使うことで、「宿題を終えた」ことが「母が帰宅した」よりも前であることをより明確に強調していますね。
このように、「過去形」でも意味が通じることが多いですが、「過去完了形」を使うことで 出来事の前後関係をよりはっきり示す ことができます。
次に、過去完了形がよく使われる、3つのパターンを確認していきましょう。
過去のある時点よりも前の出来事を説明するときに用いる
例文
She had already left when I arrived.
(私が到着したとき、彼女はすでに出発していた。)
過去のある時点までに経験していたことを示すときに用いる
例文
I had never seen such a beautiful sunset before that day.
(その日までに、私はこんなに美しい夕日を見たことがなかった。)
過去のある時点までずっと続いていたことをあらわす
(この場合は過去完了進行形が使われることもある)
例文
He had lived in Tokyo for ten years before he moved to Osaka.
(彼は大阪に引っ越す前、10年間東京に住んでいた。)
過去完了形は、日常会話でも「過去の出来事の前後関係を明確にしたいとき」によく使われています。実際の会話での使用例を見てみましょう。
場面①
A: Did you see Sarah at the party?
(パーティーでサラに会った?)
B: No, she had already left when I arrived.
(いや、私が着いたときには彼女はすでに帰っていたよ。)
場面②
A: Had you ever tried sushi before you came to Japan?
(日本に来る前に、寿司を食べたことはあった?)
B: No, I had never eaten sushi before, but now I love it!
(ううん、日本に来るまでは一度も食べたことがなかったよ。でも今は大好き!)
場面③
A: Why was Tom so frustrated during the meeting?
(トムは会議中、どうしてあんなにイライラしてたの?)
B: Because he had already explained his idea twice, but no one was listening.
(彼はすでに2回も自分のアイデアを説明していたのに、誰も聞いてなかったからさ。)
このように、過去の出来事の順番を明確にしたいときに、過去完了形はとても便利です。
過去完了形の使い方を理解できたでしょうか?
今回のポイントをおさらいすると、
・ 過去完了形は、had + 過去分詞 の形であらわす
・ 「過去のある時点よりも前の出来事」をあらわす
・ 過去の出来事の順序を整理したり、完了・経験・継続を説明する際に用いる
過去完了形を使いこなせるようになると、話の幅が広がり、時間軸が一気に理解しやすくなります。had + 過去分詞 を頭に入れて、会話の中で積極的に使ってみてくださいね。