前回の記事ではto不定詞の名詞的用法についてお話ししました。
今回はto不定詞の形容詞的用法について解説していきます。
to不定詞の形容詞的用法とは
to不定詞が名詞を修飾する形は「名詞+to+動詞」で構成されます。
この形容詞的用法では、「〜するための」や「〜すべき」といった意味を持ち、前に置かれた名詞について詳しく説明する役割を果たします。
また、不定詞が修飾する名詞には、不定詞の「主語関係」と「目的語関係」の2種類の関係が存在します。
主語関係の場合
修飾される名詞が不定詞の主語になる場合、その名詞が何かをする役割や目的に関連していることを示します。
He was the first person to receive the award.(彼はその賞を最初に受賞した人だった)
上の文では、to receive the award は直前の名詞 the first person を修飾しており、the first person は receive the award の主語の働きをしています。
直訳としては、「彼はその賞を受け取る最初の人だった」となりますが、もう少し自然に訳すと「彼はその賞を最初に受賞した人だった」となります。
I need someone to help me with my homework.(誰かに宿題を手伝ってもらいたい)
There was no one to help him.(彼を助ける人は誰もいなかった)
目的語関係の場合
修飾される名詞が不定詞の目的語になる場合、その名詞が行動の対象になることを示します。
He has something to say.(彼には言うべきことがある)
上の文では、to say は直前の代名詞 something を修飾しており、something は say の目的語の働きをしています。
直訳としては、「彼は言うべき何かを持っている」となりますが、実際には「彼には言うべきことがある」と訳すのが自然です。
She gave me a book to read.(彼女は私に読むための本をくれた)
I bought some cookies to share with my friends.(友達と分け合うためのクッキーを買った)
また、下記の例文のように、文の最後が前置詞で終わる場合もあります。
She is looking for a friend to talk to.(彼女は話し相手を探している)
I have nothing to complain about.(私には不満を言うことは何もない)
That’s a great place to live in.(そこは住むのに素晴らしい場所だ)
このような場合、文の最後にあるtoやabout、inなどの前置詞は省略することができないことに注意しましょう!
まとめ
・to不定詞の形容詞的用法:「~するための」「~すべき」という意味で、名詞を修飾する
・主語関係では名詞が何らかの行動をとることを示し、目的語関係では名詞が行動の対象となることを示す
・文の最後が前置詞で終わる場合、前置詞の省略はできない